正絹植込み結髪
おひな様の髪の素材はスガ糸(絹糸を黒く染めた伝統的な糸=写真左)とナイロン糸(写真右)があります。人形処橋本屋でお取り扱いしている衣裳着ひな人形は すべてスガ糸を使用しております。(塗り頭を除きます)
スガ糸 (しっとりした風合い) |
ナイロン糸 (光沢が強い) |
ナイロン糸は光沢があり安価で量産品の髪の素材です。スガ糸は高価ですが、しっとりとした自然な風合いが出ます。植込み結髪とは顔の周りに毛彫りという溝を彫り、そこにスガ糸の髪を植え込んで作る伝統的な技法です。髪形には大きく分けて二種類があります。
古典下げ髪(スガ糸) (伝統の髪型で高度な技術が必要) |
おすべらかし(スガ糸) (一般に多く普及している髪型) |
写真(左)は古典下げ髪で、割り毛とも呼ばれます。平安時代に誕生した日本古来の髪型で江戸時代、明治時代のおひな様にも用いられた気品のある髪型で当サイトでご紹介のおひな様の多くがこの髪型です。写真(右)は江戸時代後期に完成された、ひな人形の歴史においては比較的新しい髪型です。現代では皇后様や雅子様ご成婚等皇室の行事に用いられ、現代のおひな様の一般的な髪型として親しまれています。
古典下げ髪は非常に高度な技術を要するために、現在ではこれをできる職人の数が少なく、あまり見る機会は多くありません。一般には、おすべらかしの髪型が多くのひな人形に使われています。
橋本屋ではどちらの髪型のおひな様もご用意しております。木目込人形の場合はすべて古典下げ髪となっております。