国宝鎧と戦国鎧の違い

お節句の鎧兜には、国宝大鎧と戦国武将具足の2種類が存在します。この二つはデザインも造りも用途も全く異なりますので、お節句のよろいや兜をお選びになる際の参考にしてください。

鎌倉期を中心とした時代の大鎧は、馬上で矢を射る一騎打ちに適した構造です。平安時代の国風文化の影響を受け、当時の技術の粋を集めて作られ、美しい色彩と豪華な装飾金物でデザインされた優美で荘厳な「大鎧」が存在しました。
中でも祝賀の儀式や祭典の際に着用し、念願叶った際に各地の神社に奉納された鎧は国宝や国指定の重要文化財にも数多く指定され、その工芸技術は世界的に高く評価されるほど素晴らしいものです。

戦国時代になりますと戦法が変化しました。鉄砲が伝来したせいもあり集団での徒歩戦が主流になりました。そのため量産に適した簡素な造りに変化し、美術的な要素は影をひそめていったのです。

国宝大鎧の特徴

11世紀~13世紀、平安・鎌倉期頃の国宝大鎧17領です。全国各地の神社に保管されています。
祝い事や祭事の際に着用し、各地の神社に奉納した鎧です。
皮革、染色、彫金など甲冑史上最高の工芸技術が用いられた当時の美術工芸品です。

「祝賀」「お守り」の鎧で、お子様の健やかな成長を願う初節句にはとてもふさわしい鎧です。


戦国武将具足の特徴

16世紀、戦国武将(伊達政宗・上杉謙信・徳川家康など)が着用した当世具足です。お城や博物館に展示してあります。
当時のエピソードも多く残っており日本中に戦国武将ファンが存在します。
戦いのための鎧で、威嚇性・機能性を重視したもので卑俗的で簡素なつくりです。正確には「鎧」ではなく「当世具足」という名前です。
歴女なる造語が生まれるほどブームですが、大人の趣味の世界です。


力石鎧秀・力石甲人作品

赤糸沢瀉威大鎧お節句品はお部屋に飾るものですから美しくなければなりません。
力石作品は色彩がきれいで造形美豊かな国宝大鎧を細部にわたり研究し、時代考証に忠実に精緻に作られています。単に国宝鎧の模写にとどまらず、力石の独創性と感性を採り入れ作品に活かしています。
関連ページ→力石作品とお節句の意味