力石鎧秀・力石甲人作品とお節句の意味

人形処橋本屋では、全国各地の神社に奉納されている国宝甲冑を参考に製作された力石鎧秀・力石甲人作の鎧や兜を展示販売しております。

赤ちゃんの健やかな成長と将来の幸せを願って飾る「節句人形」には、「お祝い」とともに、重要な「お守り」の意味があります。

古墳時代から始まる甲冑の歴史において、平安時代に日本独自の鎧の定義が完成し、鎌倉時代に皮革・彫金・染色の当時の最新最高の技術が惜しむことなく甲冑づくりに注がれました。

それゆえ、平安時代鎌倉時代を中心とする国宝甲冑は、祝賀の儀式や祭典に当時の一番の権力者だけが着用できた、まさに武将の晴れ着(祝着)でした。晴れ着ですから色彩も鮮やかで美しく、その意味で「お祝い」のお節句にはふさわしい鎧です。

また、兜のてっぺんの金具を「八幡座」(八幡神は武家の守護神)と呼んだり、獅子をデザインした彫金金具や不動明王の描かれた絵革などを配し、随所に「魔除け」「神のご加護」など「お守り」としての役割も担っているのが国宝甲冑なのです。

ネットなどでは戦国時代の甲冑を多く目にします。大河ドラマなどで知名度が高いので初めてお節句を迎える方にご購入していただきやすくなっています。しかし、やはりいくら有名武将が使ったもので「強い」とか「勇壮」とかのポジティブなイメージをプラスしても、(戦国期の甲冑は歴史資料としての価値もありますし、大人の趣味でお飾りになるのなら別にいいのですが、)「戦い」を目的として作られた鎧であり、戦国武将の末路であったり家族の悲劇、兄弟の争いなど不幸な時代の鎧や兜です。お子様のこれからの長い人生が幸せに過ごせるよう願ってお祝いするお節句にはお勧めすることはできません。これはお節句の専門店、人形処橋本屋として決して譲れない部分です。

若い女性の中には、「鎧は怖い」というイメージをお持ちの方も多くいらっしゃいます。しかし、力石作品は色彩も美しく、形もきれいなので、大人が見ても現代の住宅にも溶け込むお洒落なインテリアとしてもお楽しみいただけます。