木目込人形への 赤ちゃんのお名前の 名入れ
女雛の後ろ側に赤ちゃんのお名前を
「胡粉盛上げ純金箔押し」の伝統技法にて、店主自らお入れいたします。
(ご購入のすべてのお客様に心を込めてお入れいたします)
【材料】
1:胡粉(ごふん)
日本画の絵具にも使われる伝統素材です。貝殻を粉砕してパウダーにしたものです。色は白です。これに膠を混ぜたものも胡粉と呼びます。
2:膠(にかわ)
動物の骨や皮に含まれているたんぱく質の一種で伝統素材の一つです。ここでは最高級の鹿膠を使います。
3:金箔
最高純度24金の工芸用金沢箔です。約10cm角の金箔を切って使います。
【名入れの工程】
1:胡粉の盛上げ
膠を混ぜた胡粉を器に入れて湯煎して温めて使います。冷えて時間が経つと固まります。粘度を最適にするために水を加えて調整します。面相筆の先に少しづつ温まった胡粉を付けて赤ちゃんの名前を一画づつ盛上げていきます。すぐに固まりますから一度に一画までしか書けません。器に入れた胡粉は温まっているため薄皮が張るので一筆一筆器の胡粉をかき混ぜながら次の一画を書きます。非常に神経と時間を使う作業です。お一人のお名前を盛上げるのに平均すると20分ほどかかります。
2:漆ぬり
2時間以上時間を空けて胡粉を乾燥させ、次に別の筆に工芸漆を付けて、先に仕上がった胡粉の盛り上がっているところに接着剤として塗ります。
3:金箔載せ
寒い日は3時間以上暖かい日は2時間位時間を空けて金箔を載せます。漆を塗ってあまり時間が経たないと金箔が沈んでいい光沢が出ませんし、時間が経ちすぎると漆が乾いて接着しません。気温や湿度によって時間が変わります。金箔は竹のへらですくい、紙を当てて名前の大きさに切ります。
4:金箔押し
真綿で金箔をおさえてしっかりと接着させます。余分な金箔はハケで落します。
5:完成
さらに細かい余分な金箔もハケで完全に落して完成です。